マンションを購入・保有するうえで、物件価格や住宅ローンと同じくらい大切なのが、管理費と修繕積立金です。
毎月の負担が低いことだけで判断するのではなく、建物の状態や長期修繕計画、将来の資金計画まで確認することが、安心して住み続けることや資産価値を考えるうえで重要です。
管理費・修繕積立金は「今の金額」だけで判断しない
管理費は、共用部分の清掃、設備の保守点検、管理員業務など、日常的な管理に使われます。修繕積立金は、屋上防水、外壁、給排水設備など、将来必要となる修繕工事に備えるための資金です。
どちらもマンションの維持管理に欠かせません。ただし、毎月の金額だけでは、将来の負担や資金の十分性までは判断できません。長期修繕計画の内容、積立方式、積立金残高、建物にある設備を合わせて確認しましょう。
公的調査から見る、修繕積立金を確認する必要性
国土交通省の令和5年度マンション総合調査では、修繕積立金の積立方式について、段階増額積立方式が47.1%、均等積立方式が40.5%でした。
段階増額積立方式は、当初の積立額を低く設定し、一定期間ごとに増額していく方式です。購入時の月額負担だけではなく、将来の増額予定も確認することが大切です。
また、長期修繕計画上の積立額に対して、実際の積立額が不足しているマンションは36.6%でした。現在の積立額が計画に見合っているか、資金不足への対応が検討されていないかを確認しましょう。
| 確認したい項目 | 数値 | 確認する理由 |
|---|---|---|
| 段階増額積立方式 | 47.1% | 将来の修繕積立金が増額される予定かを確認します。 |
| 均等積立方式 | 40.5% | 長期にわたり一定額を積み立てる方式です。 |
| 計画に対して積立不足のマンション | 36.6% | 現在の積立額だけでなく、長期修繕計画との整合性が重要です。 |
| 25年以上の長期修繕計画に基づき積立額を設定 | 59.8% | 計画の有無・期間・更新状況を確認する必要があります。 |
出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」

購入前・保有中に確認したい5つのポイント
1. 長期修繕計画が作成されているか
長期修繕計画には、将来想定される修繕工事、実施時期、概算費用、修繕積立金の収支見通しなどが示されます。計画がない、または内容が古い場合は、将来の負担を把握しにくくなります。
2. 計画が5年程度ごとに見直されているか
国土交通省は、物価変動や工事内容の変化を踏まえ、長期修繕計画と修繕積立金額を5年程度ごとに見直すことを推奨しています。
以前の工事費を前提にした計画のままでは、現在の建築費や人件費の状況に合わない可能性があります。最終更新日と、見直しの内容を確認しましょう。
3. 修繕積立金は、均等積立方式か段階増額積立方式か
「現在の金額」だけでなく、将来の増額予定を確認することが大切です。段階増額積立方式の場合は、いつ・どの程度の増額が予定されているのかを、購入前に把握しておく必要があります。
4. 積立金残高と、長期修繕計画に差がないか
修繕積立金が計画より不足していると、大規模修繕の時期に一時金の徴収や借入れ、積立金の増額が検討される場合があります。総会議事録、長期修繕計画、収支報告書を確認し、資金状況を立体的に見ていきましょう。
5. 維持管理コストに影響する設備は何か
エレベーター、機械式駐車場、共用施設などは、維持管理や更新に費用がかかる設備です。設備が充実していること自体が問題なのではなく、その維持費が長期修繕計画に適切に反映されているかが重要です。
| チェック項目 | 確認する書類・場所 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 長期修繕計画 | 重要事項調査報告書、管理組合資料 | 計画期間、工事項目、最終更新日 |
| 修繕積立金 | 管理費・修繕積立金の資料 | 現在額、増額予定、積立方式 |
| 資金状況 | 収支報告書、総会議事録 | 積立金残高、滞納、一時金・借入れの有無 |
| 工事履歴 | 長期修繕計画、総会議事録 | 実施済み工事、次回工事の予定 |
| 設備 | 物件資料、現地確認 | エレベーター、機械式駐車場、共用施設の有無 |
大切なのは、必要な修繕を見極めて「適正化」すること
管理費や修繕積立金を抑えることだけを目的にすると、必要な点検や修繕まで先送りしてしまうおそれがあります。建物の安全性や居住性、資産価値を守るには、必要な工事を適切な時期に実施することが大切です。
一方で、管理委託の内容、清掃頻度、設備保守、工事仕様などは、建物の実態に合わせて定期的に検証する余地があります。
「本当に今、この工事が必要なのか」「見積もりや工事内容は妥当なのか」「将来の資金計画に無理はないか」といった視点で、計画と現状を照らし合わせることが、健全なマンション管理につながります。

マンション管理の悩みは、早めの相談が解決への第一歩です
マンション管理には、建物の状態、長期修繕計画、修繕積立金、管理委託、賃貸経営など、複数の視点が必要です。数字だけを見て判断するのではなく、物件の状況と将来計画を合わせて整理しましょう。
株式会社アール・エフ・マネジメントでは、マンションや収益不動産に関するお悩みのご相談を承っています。管理状況の確認、修繕・建替えの方向性、賃貸管理、売却を含めた今後の選択肢など、状況に応じてご相談ください。
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