金融政策決定会合後の日銀総裁の会見-粘り強い金融緩和の継続-

不動産売却

2023年10月3日、日本銀行の植田和男総裁は、金融政策決定会合後の記者会見で、以下の内容を発表しました。

金融政策の現状維持

日銀は、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)について、短期金利はマイナス0.1%、10年物国債金利の操作目標は0%程度という水準を現状維持とすることを全員一致で決定しました。

物価目標達成への意欲

植田総裁は、物価目標の2%達成に向けた粘り強い金融緩和を継続していくと強調しました。また、賃金の上昇を伴う持続的な物価上昇に確信が持てれば、マイナス金利の解除を含めた金融政策の変更に踏み込む姿勢を示しました。

経済・物価動向

植田総裁は、景気の現状は緩やかに回復していると判断しました。また、生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比上昇率は、足元3%台前半になっていると述べました。

記者会見の要旨

問:金融政策の現状維持を決めた理由を教えてください。

答:物価目標の2%達成に向けて、粘り強く金融緩和を継続することが必要であると判断しました。

問:物価目標達成の見通しはいかがでしょうか。

答:賃金の上昇を伴う持続的な物価上昇に確信が持てれば、マイナス金利の解除を含めた金融政策の変更に踏み込むと考えています。

問:経済・物価動向について教えてください。

答:景気の現状は緩やかに回復していると判断しています。また、生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比上昇率は、足元3%台前半になっています。

出典/日本経済新聞「植田日銀総裁の会見要旨 物価目標「少し前進」」より転載

植田総裁は、物価上昇率が2%を下回っている状況を踏まえ、賃金の上昇を伴うかたちで2%の物価安定の目標を実現するために、粘り強く金融緩和を継続していく方針を強調しました。また、米国や欧州の中央銀行が金融引き締めに動き始めていますが、日本の金融政策との間でのギャップが拡大しても、現在の金融緩和策を維持し、金融市場の安定を図っていく方針であると述べました。さらに、多角的レビューを継続し、金融政策運営の在り方について検証・評価を深めていくことで、経済・物価・金融情勢の変化に対応し、金融システムの安定に資する金融政策運営に努めていく方針であると述べました。

見解と意見

植田総裁は、物価目標達成に向けて、粘り強い金融緩和を継続していく姿勢を示した。また、賃金の上昇を伴う持続的な物価上昇に確信が持てれば、マイナス金利の解除を含めた金融政策の変更に踏み込むと述べた。

今後、日銀は、物価動向や景気の動向を注視しつつ、金融政策を適切に運営していくと見られる。

マイナス金利政策の解除が実現すれば、投資不動産ローンの金利がさらに上昇することが予想される。 利回りが重要な中、金利上昇に伴いキャッシュフローの低下、物件価格の下落の可能性が大きくなるので、売却を検討しているのであれば、早めの行動が大事になってくるのではないだろうか。